資産と負債。簿記や経理をやっている人なら聞きなじみのあるこの二つの単語。今まで人生を生きてきて、自分の人生の資産と負債なんて考えたことはありませんでした。ここ何年かで自分のマインドが変わり、その二つを常に考えるようになりました。
【資産と負債】
【資産】とは、
①現に人や団体が保有する土地・建物・金銭・債券・株式などの積極財産。
②企業会計で、過去の取引の結果としてその企業が支配している経済的資源。リース資産などを含む点で法的財産よりも広義。
【負債】とは、
①他から金銭・物資を借りること。また、そのもの。債務。
②企業会計上、過去の取引または事象の結果として、将来、他の経済主体に金銭などの経済的資源を引き渡す義務。引当金などを含む点で法的債務よりも広い。
メリー的にものすごくザックリ言えば、資産は金銭に変えられる価値のあるモノ、です(怒られるくらいザックリです)。
負債は、借金や支出のことです(本当に超ザックリなので)。
今回、そんな小難しい話をしたいわけではなく、この資産と負債の本来の意味をどれだけ理解しているかで人生の価値観は大きく変わるよ、というお話です。
例えば、ひとつ例をあげます。
①お仕事をしてお給料が200,000円入ってきました(←資産)
②家賃80,000円支払いました(←負債)
③水道光熱費15,000円支払いました(←負債)
④食費に50,000円支払いました(←負債)
⑤嗜好品であるお酒に10,000円支払いました(←負債)
⑥化粧品に14,000円支払いました(←負債)
⑦美容院で22,000円支払いました(←負債)
⑧友人との飲み会に3,000円支払いました(←負債)
⑨通信費に15,000円支払いました(←負債)
全部計算してみてください。
入ってきたお金は、200,000円。
出て行ったお金は、209,000円です。
これは、9,000円の赤字ですね。
毎月のように赤字を出していれば、当たり前ですがお金なんて貯まりませんし、むしろクレジットカード支払いなどでしたら、知らない間に預金の中のお金が減っていくでしょう。
これくらいのこと当たり前すぎて、バカにしてんのか、と怒られそうですが実際理屈はわかっていてもこのお金の動きを把握していない人が意外に多いのです。
【資産と負債の考え方】
簿記では、この資産と負債の考え方がとてもきれいな理論でまとめ上げられています。
例えば、上記の③水道光熱費15,000円支払いました、というのは、
・水道光熱費が発生したので、現金15,000円が手元から出て行った、ということですよね。
15,000円の現金は出て行ってしまったけれど、それは水道光熱費を使ってきちんと生活できたからです。
水道も電気もガスも使わなかったら生活ができません。だから、使った代わりに15,000円支払った、ということになります。
これば簿記だと、【費用】が発生したので【資産(この場合現金)】が出て行った、という取引になります。
これは、②家賃④食費⑨通信費も同じですね。
生きるために快適に住む家を借りているから、家賃が発生します。
生きるためにスーパーやコンビニなどで食べ物を買って食べたから、食費が発生します。
今では必需品であるスマホは通信会社の回線を使っているから、通信費が発生します。
その【費用】は、メリーたちが快適に生きていくためにはとても大切で「必要なものであり必要な費用」であります。
その費用を支払う対価として快適な空間で過ごしたり、お腹を満たすことができたり、友達と電話したりYouTubeを楽しめたりできています。
この空間や食事、通信というのはメリーたちにとって快適に過ごせる【資産】でもあるのです。
衣食住は生きていて欠かせませんよね。
では、
⑤嗜好品であるお酒に10,000円
⑥化粧品に14,000円
⑧友人との飲み会に3,000円
これらは、どうでしょうか?
生きていくために絶対に欠かせない費用でしょうか?
もちろん、なくていいものでもありませんがどちらかというと費用の中でも「娯楽費」になります。
「娯楽」というくらいですから、余剰金(余ったお金)の範囲内で、というほうがしっくりきますね。
絶対に生活に欠かせない項目か、と言われると基本的にはNOですが娯楽費なしなんて生きてて楽しくないですから、ありかなしか、ではなく必要経費を引いて残った資産の中で最低限、といったところでしょうか。
その必要経費とともに、必ず貯金分も分けて考えないといけませんよね。これは大事です。
でも、今回は貯金の仕方、とかそんなお話ではなくて資産と負債の考え方を人生に生かすお話なんです。
【旦那氏がやっと気づいた資産と負債の意味】
今までは個人のお話でしたが、これが例えば会社などであればこんな取引もあります。
スーパーが1,000円で仕入れたある商品を1,500円で売りました。
500円の利益が出ました。
これを一つの取引として考えると、
①商品を1,000円で仕入れる(←資産と負債)
②商品を1,500円で売る(←資産)
③500円の利益が出る(←資産・・正確には純資産。ここでは割愛)
商品って、売れますよね?売れたらお金になりますから商品は【資産】なんです。
商品という資産が手に入りましたが、手元からは商品の仕入れ代金として現金が1,000円でていきます。
商品という【資産】は手に入れましたが現金という【資産】は出ていきました。
しかし、その商品が1,500円で売れれば商品という【資産】は減りますが、現金という【資産】が手に入ります。しかも、元の金額より500円多く!
そしてそれは、500円の利益をもたらします。
要するに、結果的には1,000円減ったけど500円増えたのです。
500円の利益をもたらした商品は完全にお金になる【資産】です。
これは、プラスになる【資産】だから余計にいいのです。
だがしかし、プラスどころかお金にもならないものはどうでしょう。
ここで、わかりやすい例としてメリーの旦那氏の例をあげてみます。
メリーの旦那氏は、堅実なタイプで物欲は基本的にはない人なのですが、嗜好品として「タバコ」だけはやめられない人です。
タバコ、高くなりましたよね・・。
単純計算しても1日1箱として、ひと月に20,000円以上はかかる計算になります。
旦那氏は、どれだけ言っても(あんまりやめろやめろときつくは言いませんが)、
「俺にとってタバコは唯一の楽しみだ」
とやめる気配なんてミジンコほどもありません。
ところが、この簿記の【資産と負債】の定義を切々と、懇々と、説明したら、
理解の早い旦那氏は、
「( ゚д゚)ハッ!」
と、あることに気づきます。
ここからは、旦那氏の頭の中でタバコを買った時の取引を思い浮かべた時の様子です。
①タバコを1箱670円で買います。670円の現金が出て行った(←負債)
②タバコという嗜好品を手に入れました(←資産・・・?)
③タバコを吸います(←害でしかない)
④手元にお金もたばこも残らない。
残ったのは体に良くないタールとニコチン入りの煙だけ・・・(←不健康という名の負債)
「・・・、え、これって全部負債・・。タバコは吸うために買っていて誰かに売ってお金にするわけでもないから資産ではない・・・。いや、でも俺の至福の時という資産・・?いや、それって本当に資産といえる?・・・。」
と、心の中にストンと落ちたといいますか。
仕入れの商品はお金になる資産だ、というところが一番「なるほど」と思ったところのようです。
数字だけで考えるのではなく、簿記の【資産と負債】の理論を理解すると、途端に見えなかったものが見えてくるような気がします。
これに気づくのと気付かないのとでは、人生において価値観が全く変わってくるとメリーは思うのです。
どうしても欲しいもの。
それって本当に欲しいものでしょうか?
例えば、
おしゃれしたいがために高い洋服を何着も買って、クローゼットに。
着ると気分も上がるし、なにしろ可愛い!
みんなも見て!すごい可愛くておしゃれでしょ?
可愛くて流行りのおしゃれな服が着たいから、という自己満足感と、
周囲に見てもらって褒めてもらいたいがために、高い洋服を買って着る、という承認欲求。
でも、翌年には流行りも変わってだんだん着なくなる。
結局高かったから捨てきれないまま、何年もクローゼットに。
これって、資産ですかね?
お金にも楽しみにもならない(楽しみはほんのいっときだけ)もののスペースこそ無駄ではないですか?
それこそ家賃を払っているのに。
ええ、過去のメリーがそれでした(笑)。
お金、たくさん使っちゃったなあ・・・(遠い目)
【資産と負債を理解すると人生の価値観は変わる】
メリーはワケあって、簿記を勉強しなければならない状況になり、人生でこんなに勉強したことない、というくらい勉強しました。
辛かったし、何度も投げ出したくなったけれど、今では勉強していてよかったと強く思っています。
なぜなら、【資産と負債】の意味はメリーの人生に大きな転機をくれたから。
お金がなくていつもしんどかった頃が恥ずかしいです。
自分を高級品なんかで固めていた頃が情けないです。
簿記を勉強したことをきっかけに、価値観が変わり読書の量も増えましたのでそれもあってマインドもかなり変わりました。
もちろん良い方向に!
【資産と負債】は常に物事を考えるときに軸に置いたらいいです。
迷いがあったら、この理論で考えてみるのです。
物事の【本当の価値】というものが見えてきます。
お金のことだけでなく、自分たちにとって大切なことや、優先すべきものはなんなのか。
今までぼんやりとしか見えなかったものや、コトが、きっとはっきりしてくるはずです。
かといって、あんまりキチキチに考えると辛くなっちゃうので余剰金で楽しみましょう。
このまま、旦那氏がタバコをやめる方向に行ってくれないかなあと密かに願うメリーでした。
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